この記事は誰のため?
こんな方に向けて書いています:
- PRレビューが怖い未経験エンジニア
- 大規模なコードレビューで何を見ればいいか分からない方
- LGTMするときに不安を感じる方
はじめに
未経験からWebエンジニアに転職して3ヶ月。
初めて任された大規模なPRレビューを前に、私は完全に固まってしまいました。
当時のPRの規模:
- 変更ファイル数:51ファイル
- コミット数:41
- 内容:Next.jsでのAPI呼び出し処理のリファクタリング+バグ修正
「何から手をつければいいんだろう…」
頭の中が不安でいっぱいになったのを、今でもよく覚えています。
【結論】1年半後の今、当時の自分に伝えたいこと
先に結論を言います。
「完璧に網羅できなくても、落ち込む必要はない」
あれから1年半が経ち、レビュワーとしての経験を積んだ今だからこそ、当時の自分に伝えたいことは3つです。
① レビューは一人で完結する作業じゃない
チーム全体でコードの品質を担保する仕組みがあります。
あなた一人が全部見切る必要はありません。
② 不安の正体は「技術力不足」じゃなく「現実的に見切れない量」
51ファイル、41コミットを完璧にレビューできる人なんて、そうそういません。
量の問題であって、あなたの技術力の問題じゃない。
③ 今の自分にできるところまでしかできない
転職3ヶ月目のあなたにできることには限界があります。
それでいい。完璧を求めすぎないで。
転職3ヶ月目、初めての大規模PRレビューで感じた3つの不安
不安① 量が多すぎて、何から見ればいいか分からない
変更量の多さに圧倒され、「どこから手をつければいいのか」が全く分かりませんでした。
ファイルを上から順に開いても、全体像が掴めない。
途中で自分が何を確認しているのか分からなくなる。
「重そうだ…」と身構えてしまい、レビュー画面を開くこと自体が億劫になっていました。
不安② 見落としがあったら、どうしよう
一番怖かったのは、「自分が見落としたバグが本番環境に出てしまうこと」でした。
- 他のメンバーに迷惑をかけるのではないか
- 「この人にレビューは任せられない」と思われるのではないか
- ユーザーに影響が出たらどうしよう
この不安が頭から離れず、LGTMボタンを押す直前まで何度も自問自答していました。
不安③ 時間をかけすぎているのではないか
レビューは急ぎ目のリリース案件でした。
明確な期限はなかったものの、「なるべく早く」というプレッシャーを感じていました。
でも、焦って確認すると見落としが怖い。
かといって、丁寧にやりすぎると時間がかかる。
このジレンマの中で、「他の人ならもっと早くできるんだろうな…」と自分を責める気持ちも湧いてきました。
自分なりにできることはやった
不安だらけでしたが、何もしなかったわけではありません。
当時やったこと:
- ローカル環境で動作確認をして、検証環境と見比べた
- PRの説明文やTeamsでのやり取りを読んで、仕様を理解した
- 不明点は実装者に質問した
- 主要な処理が仕様通りに動いているかを確認した
ここは自分なりに丁寧に見たつもりです。
それでも、「細かいコードの隅々まで追えていない」という感覚は消えませんでした。
最終的にコメントのやり取りは52回。
それだけやっても、LGTMを押した後に残ったのは「本当に大丈夫だったかな?」という不安でした。
結果的に、不安は杞憂だった
そして、結果は——
大きな問題は見つかりませんでした。
軽微な修正点はいくつかありましたが、検証環境での動作確認時点で気づき、リリース前に修正できました。
つまり、あれだけ不安に感じていた「見落とし」は、実際にはほとんど起こらなかったのです。
なぜそうなったのか?
今振り返ると、理由は明確です。
チーム体制で品質を担保していたから:
- レビュワーは2人体制(一次レビュー、二次レビュー)
- 実装者も検証環境で自己チェックしていた
- 検証環境での動作確認でWebデザイナーも動作確認に入っていた
つまり、私一人がすべてを完璧にチェックする必要はなかったのです。
それなのに当時の私は、「自分がすべてを見なければ」というプレッシャーを勝手に感じていました。
【実践編】1年半経った今、私がやっているコードレビューの進め方
ここからは、今の私がどんな順番でレビューを進めているかを紹介します。
完璧なやり方ではありませんが、「どう進めればいいか分からない」と悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
ステップ① 仕様確認(最優先)
最優先事項は「仕様通りに動くか」です。
細かいコードを見る前に、まずここを確認します。
やること:
- PRの説明文を読む
- 関連するドキュメントやチャットのやり取りを確認
- ローカル環境や検証環境で実際に動かしてみる
仕様とズレがあれば、この時点で指摘します。
ステップ② フォルダ構成のチェック
新しいコンポーネントやモジュールが追加されている場合に確認します。
チェックポイント:
- ファイルの配置場所は適切か
- 命名規則は守られているか
- 既存の構成と一貫性があるか
大きな構成ミスは後から直すのが大変なので、早めに指摘します。
ステップ③ 致命的なポイントを重点チェック
画面から順に処理を追っていき、以下に集中します。
致命的なポイント:
- データ整合性に問題はないか
- セキュリティリスク(入力検証の漏れなど)はないか
- エラーハンドリングは適切か
ここが一番重要です。
時間をかけるべきは、この部分です。
ステップ④ 可読性のチェック(軽め)
簡単に直せるけれど、将来のメンテナンス性に影響する部分を軽く見ます。
チェックポイント:
- 変数名や関数名は分かりやすいか
- コメントは必要十分か
- 複雑な処理に説明があるか
ここは「強く指摘」ではなく、「こうした方が読みやすいかも」程度の軽いコメントにします。
ステップ⑤ 軽微な点は流し見
デザインの微細なズレや、人によって好みが分かれるような書き方は、深追いしません。
時間をかけすぎないことも大切です。
レビュー期間の目安
私の場合、以下を目安にしています。
| PRの規模 | レビュー期間の目安 |
|---|---|
| 軽微なPR | その日中、遅くとも翌日以内 |
| 大規模PR | 1週間程度で一次レビューを返す |
完璧を目指すあまり、レビューが遅くなりすぎるのは避けるべきです。
コードレビューで一番大切なこと
今の私は、レビューをこう捉えています。
レビューは完璧さよりも、スピードと致命的なポイントを重視する仕事。
最低限押さえるべき2つのポイント
- 仕様通りに動くか
- 致命的なバグやセキュリティリスクはないか
この2点を中心に見て、それ以外の細かい点は軽くコメントする程度で十分。
完璧に全てを網羅しようとして時間をかけすぎるより、現時点でできるベストを出して、チーム全体で品質を担保していく。
それが、健全なレビュー文化だと思います。
おわりに
レビューで不安を感じるのは、自然なことです。
むしろ、それだけ責任を持ってコードに向き合っている証拠です。
「完璧に網羅できなくても、落ち込む必要はない」
今のあなたにできるところまでしかできない。それで十分です。
致命的なポイントを押さえて、あとはチームを信じる。
それが、レビューで一番大切なことだと、1年半経った今、私は思います。
あとは少しずつ知識がついていけば質もスピードも上がっていくはずです。
一緒に、不安と向き合いながら成長していきましょう。

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